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エルメスの食器買取相場はいくら?シリーズ別の査定ポイント

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エルメスの食器買取相場はいくら?シリーズ別の査定ポイント

戸棚の奥から、オレンジ色の箱が出てきた。開けてみると、金の縁取りが入った皿が並んでいる。もしそれがエルメスの食器なら、贈答品として受け取ったまま一度も使われていない可能性が高いでしょう。エルメスは革製品やスカーフで知られるブランドですが、磁器のテーブルウェアも長く手がけてきました。この記事では、どのようなコレクションがあるのか、査定では何が見られているのか、そして箱をどう扱うべきかを解説します。最後に、実際に手放すまでの手順もまとめました。

エルメスの食器という分野

まず、この分野の性格を押さえておきましょう。

ブランドの文脈を持つ食器

エルメスは、もともと馬具の工房として始まったとされます。その歴史がデザインの随所に残っており、鎖や馬具をかたどった意匠が製品に用いられてきました。革製品で使われた意匠が磁器に転用される、といった形で世界観が横断的に展開されているわけです。テーブルウェアも例外ではなく、他のブランドとは異なる文脈を背負っています。

したがって、単なる「洋食器のひとつ」として括るのは正確ではありません。ブランドの世界観を求める買い手が存在するという点で、一般的な磁器とは市場が異なります。この違いが、中古市場での評価を支えています。

もうひとつ押さえておきたいのが、食器としての質そのものです。ブランドの名前だけで売られているわけではなく、磁器としての作りや絵付けの手間も評価の対象になります。名前があるから高い、という単純な構図ではないと考えてください。

贈答品として流通してきた

日本の家庭にエルメスの食器が残っている理由の多くは、贈答です。結婚祝い、記念品、あるいは目上の方への贈り物。高価であるがゆえに日常使いを避けられ、箱に入ったまま戸棚にしまわれる。そういう経路をたどった品が数多くあります。日常使いには上等すぎる、割れたら惜しい、来客のときにと思ううちに機会がない。そうして三十年、四十年が過ぎるという流れです。

これは評価の面では有利に働きます。未使用で箱も揃っている状態は、査定において最も望ましい形だからです。「使っていないから価値がない」という発想だけは捨ててください。

戸棚の整理で最も惜しまれるのが、この「未使用の贈答品」の扱いです。使う予定がないからと処分業者にまとめて引き渡してしまう。中に箱入りのブランド食器が混ざっていた、という話は珍しくありません。使っていないことは、むしろ状態が良いことの裏返しなのです。

コレクション単位で語られる

エルメスの食器は、コレクション、つまりシリーズごとに名前が付けられています。モザイク・ヴァンキャトル、シェーヌ・ダンクル、ブルー・ダイユール、アフリカ。それぞれ意匠も色調も異なり、需要にも差が出ます。動物をあしらったもの、幾何学的な縁取りのもの、青を基調としたもの。方向性はさまざまで、好みも分かれる分野です。

所有者がシリーズ名を特定する必要はありません。箱に記載されていることが多いですし、絵柄の写真があれば専門家が判別できます。器の裏に刻印が入っている場合もありますので、裏返して底も撮っておいてください。無理に調べようとせず、撮影して相談してください。

シリーズによって評価に差が出る理由は、意匠の人気だけではありません。絵付けの工程数、金彩の使用量、生産された期間の長さ。こうした要素が組み合わさって、市場での動きが決まってきます。同じブランドでも一律ではないと理解しておいてください。

廃番の扱い

長く展開されているコレクションもあれば、生産が終わったものもあります。廃番になったシリーズは新品で手に入らないため、揃いを補いたい人の需要が生まれることがあります。

つまり、古いからといって価値が下がるとは限らない分野です。手元の品が現行品かどうかも、所有者が判断する必要はありません。

むしろ、廃番であることが有利に働く場面があります。何客か割ってしまい、同じ絵柄を探している人。揃いを増やしたいが店頭では手に入らない人。そうした需要が中古市場に向かうからです。生産が終わったシリーズほど、探している人にとっては貴重になります。「もう売っていない古いもの」という所有者の見立ては、しばしば実態とずれています。

査定で見られること

続いて、実際に何が評価を左右するのかを整理します。

見られること 内容
箱と付属品 専用の外箱・内箱・緩衝材・リボン・説明書
揃い ペア、六客揃い、ポットとカップの組み合わせ
状態 未使用なら問題にならない。使用品は金彩の擦れなど
同ブランドの他の品 スカーフ・バッグ・小物も一緒に見てもらう

箱と付属品の有無

エルメスの食器で最も大きな差を生むのが、箱の有無です。専用の外箱、内箱、緩衝材、リボン、説明書。これらが揃っているかどうかで扱いが変わります。

箱はかさばるため、捨てられやすい部分でもあります。しかし、ブランド品において箱は品物の一部として扱われるのが通例です。押し入れ、物置、階段下の収納。器と別の場所にまとめられていないか、必ず確認してください。

骨董の世界で箱書きが重視されるのと同じ役割を、ブランド食器では専用箱が果たしています。品物そのものと、それを裏づける情報。両方が揃ってはじめて評価が定まります。箱が潰れていても、変色していても、あるだけで意味があると考えてください。

揃いが崩れていないか

食器は揃いで評価される分野です。ペアのカップ、六客揃いのプレート、ポットとカップの組み合わせ。これらが揃っているかどうかで評価が変わります。

したがって、「一客だけ試しに売ってみる」という発想は不利に働きます。揃いは一度崩すと元に戻りません。戸棚にあるものは、まとめて用意してください。

欠けた一客がある場合も、除外しないでください。六客のうち一客が欠けているのか、五客揃いとして扱うのか。その判断も査定士の領分です。所有者が減点になると判断して外してしまうほうが、結果的に不利に働きます。

状態の見られ方

未使用品であれば、状態はほぼ問題になりません。使用したものについては、金彩の擦れ、縁の欠け、内側の擦り傷といった点が見られます。とくにカップの内側やプレートの中央は、使うほど細かい傷が入る部分です。

ただし、状態が悪いから無価値ということにはなりません。程度の問題として扱われますし、判断は見る人に任せてください。素人目には手遅れに見えても、扱う側から見ればまだ十分な状態ということがあります。

逆に、状態が良いのに気づかず処分してしまう例もあります。数十年しまわれたままの器は、埃をかぶっていても本体は新品同様ということが多いからです。見た目の汚れと、器そのものの状態は別のものだと切り分けて考えてください。

食器以外のものも

エルメスの製品が戸棚から出てくる家では、スカーフ、バッグ、小物、ネクタイといった他の品が同じ家に残っていることも少なくありません。持ち主が同じ関心で揃えていたからでしょう。ひとつのブランドを気に入れば、他の品目にも手が伸びるのは自然なことです。

食器だけを取り出さず、一箇所に集めて一度に見てもらってください。全体を見れば、その人がどういう好みで揃えていたかがわかります。それは他の品を評価する際の手がかりにもなります。

加えて、一括で見てもらうほうが手続きも簡単でしょう。品目ごとに別の店へ持ち込めば、その都度やり取りが発生しますし、送料や手間も重なります。まとめて扱える業者を選べば、一度で片づく話です。

扱いで守るべきこと

良かれと思った行為が評価を下げてしまう。食器はそういう分野です。

洗わない

査定前に洗うのは避けてください。食器洗い機、漂白剤、研磨剤はすべて厳禁です。金彩は洗剤や研磨で失われますし、上絵付も同様に傷みます。

埃をかぶっていても、そのまま持っていって構いません。気になる場合でも、乾いた布でほこりを払うくらいにしてください。「きれいにしてから査定に出そう」という善意が、そのまま評価を下げてしまいます。

とくに金彩は、目に見えないほど薄い層で施されたものです。柔らかいスポンジでも、繰り返しこすれば曇りが出てしまいます。査定の現場で最も惜しまれるのが、この「良かれと思った洗浄」なのです。

修理をしない

欠けを接着剤で留める、市販の補修材を使う。こうした手当ては、たいてい裏目に出ます。壊れたところはそのままにしておいてください。

修理が必要かどうかは、扱う側が判断します。所有者が費用と手間をかけても、それが評価に反映されるとは限らないからです。金継ぎのような専門的な修復も同様で、査定前に手配する必要はありません。まず現状のまま見てもらい、そのうえで判断してください。手放さずに使い続けるという結論になっても、それはそれで構いません。だるま3マガジンの丹波焼の茶道具を高く売るには?価値の見極め方と買取相場・査定ポイントも、あわせて読んでおくとよいでしょう。

箱に戻して保管する

査定までのあいだは、元の箱に戻しておくのが最も安全です。器同士がぶつかれば縁が欠けますし、重ねて置けば内側に擦り傷が入ります。

箱がない場合は、一枚ずつ紙や布で包んで平置きしてください。重ねる場合も、あいだに布を挟めば擦れを防げます。運搬中の破損は、そのまま評価の低下につながります。新聞紙で包む場合は、インクが器に移らないよう白い紙を一枚挟んでおくとよいでしょう。同じ領域の記事として、だるま3マガジンのアンティーク陶磁器の価値とは?人気ジャンル・見分け方・高額査定のポイントを完全解説もご覧ください。

相談先を選ぶ

洋食器を適切に評価できるかどうかは、店によって差が出る部分です。総合リサイクル店では、見た目と状態だけで値段をつけられてしまうこともあります。

ブランド食器や西洋磁器の買取実績を公開している業者を選んでください。持ち込む先を一つ間違えるだけで結果が変わります。写真を送って事前に相談できる店であれば、運び込む前に見通しを立てられるでしょう。民藝の巨匠・濱田庄司の陶磁器はいくらで売れる?査定基準を解説もあわせてご覧ください。

手放すまでの手順

実際に動く場合の順番を整理しておきます。この通りに進めれば迷いません。

第一段階:箱を探す

まず器ではなく、箱を探してください。押し入れ、物置、階段下、クローゼットの上段。かさばるため、器とは別の場所に保管されていることが多いからです。この作業に一番時間をかける価値があります。見つかったら、中身が入っていなくても取っておいてください。器と箱を組み合わせるのは、あとからでもできます。

第二段階:戸棚ごと出す

食器を一箇所に集めます。この時点では選り分けません。欠けているもの、揃いが崩れているもの、他ブランドのものも含めてください。良さそうなものだけを選ぶと、その判断が結果を決めてしまいます。査定の現場で最も惜しまれるのは、所有者が処分側に回したものの中に、最も価値のある一点が入っていたという事態なのです。

第三段階:写真を撮る

器の全体、絵柄、そして裏返して底の刻印。箱があれば、側面や蓋に記された品名の記載も撮っておいてください。自然光の入る場所で、真上から撮ると色と絵柄が正確に写ります。蛍光灯の下では色が転びやすいため、昼間の窓際が向いています。

第四段階:専門の業者へ相談する

ブランド食器の買取実績がある店を選び、写真を添えて相談します。点数が多ければ出張査定という選択肢もありますので、運び出しの心配は要りません。戸棚ひとつ分をそのまま見てもらうという依頼の仕方も可能ですし、梱包の手間まで含めて任せられる店もあります。

第五段階:結果を聞いてから決める

評価を聞いたうえで、手放すか残すかを決めれば十分です。複数の店に見てもらってから決める方もいます。急ぐ理由がないなら、それも妥当な進め方でしょう。相談したからといって、その場で売らなければならないわけではありません。

この五段階のうち、最も重要なのは第一段階です。箱があるかないかで結果が変わるにもかかわらず、箱は最も捨てられやすいものだからです。器を先に運び出してしまうと、箱を探す機会そのものを失います。片付けの流れのなかで、かさばる空箱から先に処分してしまうのはよくあることでしょう。だからこそ、箱から手をつけてください。

税金の扱いについては個別事情によります。必要なら税理士等の専門家にご相談ください。

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